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成宮千織(なるみやちおり)
心理カウンセラー
   「私はあなたの居場所になりたい!」

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【母と私】あなたが変われば私も優しくなれるのに

カウンセリングサービスの成宮千織です。

両親と2年弱ですが、一緒に暮らしていましたが、その間は仲がいい時と「同居はしんどいな」と感じるときが交互にありました。

去年、父のガンがみつかり、検査、入院、手術、通院と慌ただしく、母と協力してやっていましたが、幸い父のガンはそれほど進行していなかったので、現在は経過観察となり以前と変わらない生活になりました。

そのタイミングで私は、愛知と神奈川の2拠点生活になりました。とはいえ、今後は親のサポートで戻る以外は、神奈川メインで生活することになると思います。

両親と同居中、色々とルールがありまして、赤裸々に書いてしまうと、母の部屋に入らない(のぞかない)、両親の洗濯物を干してある部屋へ入らない、やむを得ず入るときはここを通ってベランダに出ること、冷蔵庫は自分自身のを使う、お風呂はシャワーのみ、台所は母が使った後に使用するなどです。

潔癖症の母ですので、これくらいは仕方がないなと思っていました。私が子どもの頃にも同じようなルールがありましたので、同居する=窮屈な暮らし。これはどうにもならないことだなとほぼ諦めです。

親しい友人に「洗面台にも自分のモノが置けないんだよね」なんて愚痴をこぼすと「それって実家とは呼べないよね」と言われましたが、この状態が昔からの「私の家」でしたので、「気楽」「落ち着く」「居心地がいい」などの世間一般的でいう「実家」というものを私は知らないんですね。

生活自体も窮屈でしたが、他にもしんどいなと感じることは、両親が仲が良すぎるので、いつも両親と私の2対1にわかれてしまうのです。両親の意見が対立すると、母は私の方にきて母と私 対、父という構図になります。これも勝手だなと感じるところですが、私と父が仲がいいと、母はひとりになりたくないので、どんなに怒っていても父と私の中に入ってきます。

同居して改めて感じたことは、母は変わらないな、ということなんですね。同時に、私も母に対する気持ちや態度は、きっと変わらないなと思いました。そしてお互いに同じだなと思うことは、

「あなたが変われば私も優しくなれるのに…」

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相手が変われば私は優しくなれるのに。。。これは誰に対しても同じだと思うのですよね。心の距離が近ければ近いほど、この思いは強くなりますよね。

その思いの内側にあるものは、「私は悪くない」だと思うのです。私は悪くないんだから、あなたが悪い。だからあなたが変わらなければならない。

親子では特に甘えや期待が出てきます。娘の私からすると「母親なんだから、わかってくれて当然」だと思いますし、母からすれば「私の家、私のやり方」だから私が正しい…そんなふうに自分のことしか考えてなかったんです。

以前と違うのは、そんな気持ちがありながら、お互いの立場や事情を(実際はわかりませんが)理解しつつ、必要以上に口を出さないという暗黙の了解となっていきました。一言でいうと、シェアハウスです。

もともと仲のいい母と娘でしたら、同居楽で楽しいものかもしれませんが、私は母に対して恨みにも似た感情をいだいていましたので、「死んでも帰りたくない実家」だったんです。

カウンセリングサービスは「許し」をテーマにしていることもあり、私も母を許すことにコミットしたこともありました。だから、実家で暮らそうと思ったんだと思います。ただ同居は厳しかったです。いろんな感情と日々たたかっていました。これは幼いときから感じてたお馴染みのやつだ、とか、この気持ちはもう感じたくないな。顔を合わせれば、自然と観察してしまう、「今日は機嫌いいかな?悪いかな?」

でもですね、物理的に距離が離れてみれば、母に対してなんの恨みも憎しみも怒りもまったくないんです。土日にらっきょうを漬けたんですが、「母も好きだったよな」と、日常でけっこう思い出したりします。母の好きなものばかりなんですね。

先日、用があって母にLINEをしたのですが、母から「いつ帰るの?」ときました。一瞬、「わぁ~ウザッ」と思いましたが(笑)、来月には一度名古屋に戻ろうと思います。

いい距離感でいる今は、「私が優しくなれば、相手も優しくなる」そう思えるようになりつつあります。