
カウンセリングサービスの成宮千織です。
―「好き」が止まらない心の奥にあるもの―
「この人じゃないとダメ」
「返信が遅いだけで、苦しくなる」
「別れたほうがいいと分かっているのに、別れることができない」
それは【ただ好きなだけ】ではないかもしれないのです。
恋愛依存症とは、恋人や自分が恋をしている状態に執着していることをいい、感情、思考、行動が自分ではコントロールできない状態になることです。心理学では共依存や愛着の問題としてとらえられていることが多いのです。
恋愛は本来、楽しい・嬉しい・幸せというポジティブな感情を感じるものですが、それが「苦しい」「悲しい」「不安」が中心になっているなら、一度立ち止まり関係性を見つめ直す必要があります。
恋愛依存症チェック
あなたはいくつ当てはまりますか?
■返信がないと不安、恐怖を感じる
■返信がないか、スマホのチェックがやめられない
■常に恋人のことを考えている
■相手の機嫌で自分の幸不幸がきまる
■本音が言えない
■誰よりも恋人を優先する
■無理なこと、嫌だと思うことも断れない
■見捨てられる不安が強い
■生活が恋人中心になる
■恋人以外のことは関心がなくなる
当てはまるものが多ければ、恋愛依存症といえるでしょう。
恋愛依存症になった原因
では、なぜ恋愛に依存してしまうのでしょうか?
自己肯定感の低さ
「私はそのままで価値がない」「誰かに必要とされてはじめて価値がうまれる」そんな無意識の思い込みがあると、恋愛は【自分の価値を証明する手段】になります。
相手に愛されている間だけ、自分が自分でいられる感じがする。だからこそ、失うことが怖くて仕方ないのです。
幼少期の愛着の影響
幼少期に親との情緒的なつながりが足りなかった場合、パートナーシップを含めた人間関係に影響を及ぼすことがあります。
愛情が不安定だったり、親の機嫌によって怒られたり、怒られなかったら、常に顔色をうかがいながら育ちます。それが大人になっても続くのです。
こうした経験があると、「見捨てられる不安」が強くなります。大人になっても「いつか嫌われてしまうのかも」という恐れが無意識に働き、過剰に相手にしがみついてしまいます。
不安と安堵の繰り返し
恋愛中は、快感や安心に関わるホルモン物質が脳から大量に分泌されます。
とくに不安定な関係ほど、「不安 → 安堵→不安→」の振れ幅が大きくなり、ジェットコースターのような刺激的な感情が生まれます。
連絡がこないととても不安になりますが、連絡が来たら一気に安堵に変わります。地獄から天国くらいの差に感じるのです。その刺激がやめられない恋をつくる要因になります。
恋愛依存症の問題
恋愛依存症はなぜいけないのでしょうか?恋愛依存は、最初は「一途」「愛情が深い」と見えることもあります。しかし次第に、関係は重たく、苦しいものへと変わっていきます。
自己犠牲が増える
本当は嫌なのに我慢する。
相手のいうことを聞く。
自分の時間やお金、価値観を削ってしまう。
相手をコントロールしたくなる
返信を強要する
行動を制限したくなる
疑いや嫉妬が強くなる
恋愛が長続きしない
依存が強くなるほど、相手は息苦しさや窮屈さを感じます。はじめは愛情を感じていても、「想い」が「重い」に変化していけば、恋人は離れていく結果になります。
するとこう思うのです。「やっぱり私は捨てられる」この思い込みが強化され、悪循環になっていくのです。
恋愛依存と本当の愛の違いとは
依存は「不安」、愛は「安心」がベースです。あなたの愛はどちらでしょうか?
| 恋愛依存 | 本当の愛 |
|---|---|
| 恋人を失うのが怖い | 信頼 |
| 嫌われたくない、コントロールする | 恋人を尊重する |
| 常に一緒にいたい | 適度な距離が保てる |
| 自己犠牲 | 自分自身も大切にできる |
愛は、恋人にしがみつくことではないのですね。相手も自分も大切にしながら、心がつながることなのです。
恋愛依存から抜け出すには
①恋愛依存をみとめる。
自分を責める必要はありません。あなたのせいではないからです。「そうなるには、そうなるだけの理由」があるといいます。気づけただけで、まずは十分です。
②不安を相手のせいにしない
不安は相手の行動や機嫌ではないのです。あなたの不安はあなたの内面から出てくるものなのです。過去の傷やさみしさに向き合ってみてください。たくさん自分自身に聞いてみるのがいいです。「今、何が不安なの?」「それは過去に感じた不安と同じなの?」「いつから持っている不安だと思う?」
③境界線を引くことを学ぶ
彼の機嫌は彼の都合。私とは関係ない。
彼の幸せは彼の責任。私の幸せも私の責任。恋愛がうまくいくには、心の境界線が必要です。
※境界線を引く簡単なイメージワーク
彼とあなたは心理的にどれくらいの距離にいると思いますか?あなたの1メートル先でしょうか?それとも5メートル先でしょうか?(心の距離が近いほど、その距離は短くなります)イメージの中でその距離に彼がいる立っていると思ってください。あなたと彼の間に見えない線を引いてみましょう(実際に指で線を引いてみてください。)。どんな気持ちになりますか?これを数日間、続けてみてください。
境界線が引けるようになると、依存も弱まります。
④専門家に相談する
一人で抱え込む必要はありません。恋愛依存は、根深い愛着の問題が関わることもあります。カウンセリングや心理療法はとても有効です。
⑤恋愛以外の楽しみを見つける
これは言うほど簡単ではないとわかっています。みなさん同じことをおっしゃいますからね。「楽しいことが見つからない」それは、「恋人=世界のすべて」になっているからです。
・集中できる趣味を持つ
・友人と出かける
・軽い運動を始める
・仕事や勉強に集中する
これらのことが楽しめるようになったときが、恋愛依存から抜けられた状態かもしれません。ここを目指しましょう。
最後に
恋愛依存と聞くと、どんなイメージを持ちますか?きっと、常に男性がいないとダメな人、ひとりでは立つことができない弱い人と思われるかもしれません。でも恋愛依存症は、弱い人ではありません。それは、これまで必死に誰かに愛されようと努力してきた証なのです。
でも、本当に必要なのは――
「恋人からの愛」よりも「自分への安心」です。自分との関係がうまくいっていなければ、恋人との関係もうまくいかなくなります。健全な恋愛は、足りないものを恋人からもらうだけのものではなく、自分で自分を満たせるようになってはじめて成り立つ関係ともいえるのですね。
私は、恋人がいてもいなくても価値がある。「愛されるために頑張る恋」から「自然体でいられる恋」へ。
応援しています。


