こんにちは。心理カウンセラーの成宮千織です。
皆さんは幸せ恐怖症という言葉を知っていますか?
簡単にいうと、頭では幸せになりたいと思っているのに、心の奥では幸せが怖く感じてしまい、幸せから遠ざかるようなことを言ったり、行動をとってしまうことです。
自分で気づいていることもありますが、知らず知らずのうちに同じような幸せ回避のパターンを繰り返してしまっていることもあります。多分、カウンセリングを受けていたり、心理学を学んでいなければ、ほとんどの場合が無意識に幸せを遠ざけているような気がします。
受け取りたいのに、受け取れない
カウンセリングでの現場で多いのですが、好意や承認の言葉などを受け取れていないことに気づいていない方もいらっしゃいます。「○○さん優しい人ですね」「○○さん、どれだけこれまで頑張ってきたんでしょうか」とお伝えしても、そのままスルーのような感じで、違う話しに変わってしまうことがあるのです。
ご本人は自覚がないかもしれませんが、承認されることにどこか心地悪さを感じていらっしゃると思うのです。
私たちカウンセラーは、クライアントさんの心の動きや変化に「もしかしたら、受け取ることができてないかもしれない」と気づくことができます。そこから原因や改善策を考えていくのです。
しかし、日常の人間関係のコミュニケーションでは好意や承認などをスルーされたように感じると、「余計なことだったかな」「気を悪くさせてしまったかな」と、自然にそのことに触れなくなっていくかもしれません。これ、ちょっともったいないと思いませんか?
そして、男女の間では、「気持ちが伝わらない」とか「自分のこと好きじゃないんだろうか」「愛されてない」など、自分の気づかないところでお相手との間に溝ができてくることもあるかもしれません。
「好き」「愛してる」と直接的な言葉でなくても、お相手のことが好きで何割か増しかもしれませんが、好意的に見て伝えているのに、スルーされたとしたら、きっと伝えた側の人は悲しい気持ちになると思うんです。
言葉を受け取ることは、その人の心の奥にある好意や善意を受け取ることでもあるんですね。
幸せを受け取りたいのに受け取れない。幸せが怖くて無意識に逃がしてしまう。それが幸せ恐怖症です。
受け取れるかを試してみる
ここでですね、お時間のある方は試していただきたいのですが、
人から思いがけず、ほめられたと思ってくださいね。「優しい人ですね」とか、「美人ですね」「優秀ですね」どんな言葉でもいいので、そのシーンを思い浮かべてください。
※ここでのポイントは体の感覚に注目してくださいね。
あなたは次のどちらの感覚に近いでしょうか?
●A子さん「わぁ、嬉しい」と胸のあたりがぽかぽかするような感覚になりました。
●B子さん「いえ、そんなことないです」と、胸のあたりがざわざわするような、そこから立ち去りたくなるような居心地の悪さを感じました。
さて、あなたはどちらでしたか?
同じ言葉をかけられても、人によってその言葉によって感じる感情や体感が心地よいものか、良くないものかで受け取ることができる人と、受け取ることができないとわかれると思うのです。
感情を感じるのが怖いだから、受け取れない
では、なぜ人からの好意や承認などに心地悪さを感じるのでしょうか?
それには、もしかしたらこんな感情がひっついているかもしれません。それは、罪悪感、不安感、無価値感などです。
「幸せのあとにはきっと悪いことが起こる」「幸せは私にふさわしくない」「私だけ幸せになったら、○○(お母さん)に悪い」など
それらの感情を感じるのが怖く、受け取ることを拒否してしまうんですね。これは自分を守る「防衛」なんです。でも、頭では幸せになりたいと思っている。自分の中で葛藤がうまれ、これが苦しみや悩みになっているんですね。
それはどうして?いつから?
受け取れないな~なかなか幸せになれないな~と思うとき、罪悪感、不安感、無価値感などの感情のほうに目を向けてみてください。
「どうしてそう感じるんだろう?」
「優しい人ですね」という言葉、今は受け取れないけど、きっと5、6歳のころはちゃんと「嬉しい」と感じ、心もぽかぽかしていたと思うのですね。では
「いつから、心がざわつき始めたんだろう?」
もしかしたら、心の中が「我慢ばかりで苦しい」「怒りであふれている」「不安でいっぱい」で、心に受け取るスペースがないかもしれません。
受け取れないときは、まず自分の心に目を向けることから始めるといいかもしれません。
心に目を向けるというのは、自分にたくさん質問をすることです。
優しいねと言われるとどうして心がざわつくの?
私は優しいと自分で思ってないから
どうして優しくないと思うの
だってあの時、人を裏切ったから…
こんな感じで質問をしてみてください。私たちの脳は、質問をされると検索エンジンのように答えを自分の中から出そうとします。
でも、途中で他ごとをしたくなることも多いのです。それは、エゴが邪魔をしているんですね。「そんな面倒なことやめなよ」と。
エゴに邪魔されないように、なだめながら取り組んでくださいね。また、エゴに「静かに!」というと、消えることがあります。
最終的に「どうして幸せが怖いの?」と聞くことができるといいですね。
もし、自分でできないときは、カウンセリングを一度受けてみてください。
応援しています。