カウンセリングサービス、心理カウンセラーの成宮千織です。
先日、母と過去最大の言い合いになりました。キッカケは私の言ったなにげない一言からでした。それを母が聞き間違いをし、さらに勝手な思い込みで、かなりキツイことを母から言われました。
そんなことなら「ごめん、聞き間違いだったわ!」ですむことなんですが、わが母は絶対に謝らない意思の強さの持ち主ですので、私の怒りはヒートアップしていきました。
前にも書いたことがあるかもしれませんが、私は母に口答えをすることなく育ってきました。それは5、6年間まで続いていました。それはなぜかというと、私が一言反論すれば、10倍にもなって返ってきたからなんですね。
「これ以上傷つきたくない」
私は長い間、母に反論することを諦めてきました。でも、今では間違いは間違いと私も言うことができるようになりました。それでも謝ることのできない母。挙句の果てに「あれは冗談だった。本気にするあんたが悪い!」という始末。
これ、誰でも腹が立つと思うんです。こんなことが物心のついたころから山ほどありました。ここで反論できなかった過去の私たち。ちょっとかわいそうになりました。
今では、過去の消化されていない怒りもプラスされて、怒りのパワーはとても大きくなっちゃうんです。しばらく母と話すこともなく距離を取っていました。それはこれ以上コミュニケーションを取ってもお互いのためにならないと思ったのです。
でも心の中は怒りでどうにもなりませんでした。この恨みどう晴らしてやろうか。。。我ながら恐ろしいです。
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そんなさなか、仲のいいカウンセラーとインナーチャイルドワークをお互いにしあっこする機会がありました。私は3歳の傷ついた私を思い出し、そのときの気持ちを感じ、寄り添い、抱きしめてあげました。
私の3歳のインナーチャイルド(傷ついた子ども)は、何度か癒しを繰り返していたお陰で、わりと素直に触らせてくれたり、抱きしめさせてくれるんです。なんだかいやらしい表現ですが。
そのワークが終わった後、あれほど怒り狂っていた母への怒りがワークの前ほど感じなくなりました。今の大人の私が感じている怒りは過去の怒り、そして怒りの感情の下に隠れている本当の感情なんですよね。それは、誰もわかってくれない悲しみ、寂しさ、悔しさ、虚しさ、諦めた感覚、そんな思いたちが出てきていたんです。
後日、気になっていた10歳のインナーチャイルドも自分自身で癒しました。
インナーチャイルドは私たちが産まれてから感じた感情をすべて覚えているといいます。もちろんそれは心の奥深いところにあって、普段は意識できないんです。でも、ちょっとしたことでも大きな怒りを感じてしまったり、悲しみを感じるならば、それは今の感情だけではないかもしれません。
一度でインナーチャイルドは癒せるの?
ある程度、一度で癒せることもあれば何度も必要になることもあります。それは感情の層が何万にもなっているからなのですね。そんなことならキリがないじゃない!と思われると思うのですが、一部分を癒せたらその分は心が軽くなるんです。
癒しは一生かけてするもの、でも完璧を目指さなくても大丈夫。ある程度癒すことができたらそれでOK。癒しって大ざっぱにいってしまえば、問題が問題として捉えなくなることなんです。
今、パンツ履いていると思うんです。そう、下着のパンツです。パンツのサイズがあわないと気になって仕方がないじゃないですか。小さければゴムがお腹に食い込んで苦しくて仕方がないです。でも、ちょうどいいサイズなら履いていることすらも忘れてしまいます。それと似たような感じなんですね。ジャストフィットを目指さずとも、苦しくなければそれでいいか~それくらいを目標にしたらいいかと思います。
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今の生きづらさや苦しみは、過去の感情が心の奥深くに残っていて、それが影響しているかもしれません。当時、感じていた苦しみ、悲しみ、孤独感…わかってあげられるのはお母さんでもお父さんでもなく、世界にただ一人、自分自身だけなんですね。
幼いころの私に、「気が付かなくてごめんね」「見て見ないフリをしていてごめんね」「わかるよ、わかるよ。辛かったよね」「よく頑張ってくれたね」「いっぱい我慢してくれたんだね」「ありがとう」と声をかけてあげてくださいね。
そして最終的には、「私が私の味方だよ」「私があなたの居場所になるから」
これまで存在すら気づかなかったインナーチャイルドは、イメージの中で声をかけても、すぐには笑顔を見せてはくれないかもしれません。声をかけても下を向き、何も答えないかもしれません。突然、逃げていってしまうかもしれません。(でも、あなたは逃げたインナーチャイルドの居場所をちゃんと知っていると思うのです。)
怒っている、悲しんでいるその子、それはあなたがたくさん傷ついてきたからなんです。大人の自分自身にも心を閉ざすほど辛い体験をしてきたかもしれません。それをあなたは知っていますよね。インナーチャイルドの気持ちをわかるのはあなただけです。
インナーチャイルドを癒したら、問題が問題に感じられなくなる他に、これまでちょっとしたことで感じていたイライラや怒り、悲しみや孤独感も徐々に和らいでいくと思いますよ。
少し時間はかかるかもしれませんが、いつか笑顔を見せてくれて草原を走り回る子どもの姿になる日がきっとくると思うのです。