こんにちは。心理カウンセラーの成宮千織です。
本日はカウンセリングサービスでカウンセラーがお当番制で書いているアメブロ「恋と仕事の心理学@カウンセリングサービス」とメルマガの担当日となります。
たくさんのカウンセラーさんがみなさんの役に立つ記事を書いているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ではでは、「対人関係と心のバランス」です。
心は、私たちが気づかないレベルで心のバランスを取っているようなのです。今回はいくつか例をあげてみようと思います。
デートで彼女のテンションがいつも以上に高いとき、彼氏はバランスを取るようにいつもよりも低いテンションで過ごしていたり、お母さんが悩んで沈んでいるときに、子どもがはしゃいでみたり、私たちは対人関係で心がニュートラルな状態になるようにバランスを取り合うことがあります。
でも、それが原因となって、意図せずケンカになることもあるのですよね。彼女が、低いテンションの彼氏に「せっかく楽しみにしてたのに、なんでそんなにつまらなそうにしてるの?」という文句あるあるだと思いませんか。何か不満があるのかもしれないので、その判断は相手に聞いてからがいいですね。
家族間でもこんなことが起きています。夫婦の仲が険悪な状態が続いているとします。毎日顔を合わせばケンカになり、互いのことをののしっています。すると、子どもが非行にはしる、なんてことがあります。
夫婦はもうケンカなどしている場合ではないので、協力して子どもの非行を止めるにはどうしたらいいか2人で行動し始めました
。子どもは両親の仲を良くしようと意識して非行にはしったわけではありませんが、緊迫した家の状態に耐えきれず、子ども自身が風穴をあけたのでした。
感情というのは関わりがある人との間で共鳴、共振するので相手の影響を受ける可能性があるのです。例えば、あなたがエレベーターに乗っている時に、しかめっ面をしたおじさんがドスドスと乗って来たとします。イライラしてボタンを勢いよく押したりすると、言葉を交わしているわけでもないのに、「この人、怒ってる。怖いな」と感じると思うのです。
しばらくして、おじさんはエレベーターを降りてあなた一人になると、もうそのおじさんは目の前にはいないのに、おじさんが乗って来る前と今のあなたの心の状態は変化して、不安感や恐れを感じていると思うのです。少し落ち着くと、怒りが出てくることもありますよね。「あ~あの人のせいで嫌な気持ちになっちゃった」って。
知らない人にも心が影響されるのですから、関係性の近い人同士ではさらに感情は影響を受け、与えるということなのですよね。影響を受けると、私たちの心は急激な変化を危険なものと判断して、元の自分の心の状態に戻そうと無意識(自動的に)にバランスを取ろうとするのです。
またこんなこともあります。
彼からのLINEが返って来ないとき、「私が彼のように誰かに連絡を返していないとしたら誰にだろう?」と考えて、「そうだ、お母さんの電話を無視していた」とお母さんに電話をかけると、そのあと彼からLINEが返って来ることがあります。
これで、すべてうまくいくということはないと思うのですが、実際に心の奥深くではこのようなバランスを取るということをしているようなのです。
また、凄く好きな片思いの人がいるとき、その人に愛情をかけたり、優しくしたくなると思います。でも、一方であまり好きではない人には雑に扱ってしまったとします。
心は、私は片思いの人から雑に扱われてしまうかも?と考えてしまいます。なぜなら、自分があまり好きではない人を雑に扱ったことを私自身が知っているからです。
・私はあまり好きなではない人→雑に扱う
・片思い人は私のことをあまり好きではないかも→雑に扱われる
LINEと片思いの例では、バランスを取っているともいえますが、投影の法則が働いているともいえます。ここでも投影は、自分が○○したことは、人もきっと私に○○するだろうと考えることです。
(例えなので、好きでもない人にも必ず優しくしなければならないということではないですよ)
オマケのお話ですが、私たちは無意識にしていることもあれば、意識してバランスを取ろうとすることもあります。これは恋愛の駆け引きにもよく使われていると思うのです。
彼が最近冷たいなと感じると、LINEの返信を遅らせたり、別れ話を切り出したりする女性がいます。これも彼氏よりも気持ちを下げたフリをして彼の気持ちを上げようとする作戦です。
恋愛においてこのような駆け引きは一時的で、表面的なものになります。どうして最近彼が冷たくなったのか?原因を考えて対策しないと別れ話が本当の別れに?ということもあるようなので注意が必要ですね。
対人関係で、相手はどのような気持ちでいるか、テンションはどうなのか?これも私たちは相手の表情や声のハリ、しぐさなどの非言語のコミュニケーションでも感じ取ることができます。相手の状態を観察することは相手を理解する(したい)ことでもありますよね。
温かい水と冷たい水を混ぜると、中間の温度になります。デートのはじまりは温度差があっても、一緒に過ごしているうちにだんだんと二人の気持ちがひとつになっていくこともよくあることです。