カウンセリングサービスの成宮千織です。
誰かに無視をされると、自分の存在まで否定されたような気持ちになります。無視といっても挨拶をしたら無視をされた、LINEの既読スルー、メールを送っても返信がない、いろんなシチュエーションがあります。今回は既読スルーについてですが、無視全般に共通している部分もあります。
私は、ある友人の長文LINEをよく既読スルーします。数日、1週間、時に2週間と間があいて返事を送ることもあります。そしてその友人からも同じように何日、何週間もあいてから返事がきます。
これはお互い暗黙の了解であって、「緊急性のないものは時間のあるときにね」というルールや、パターンが決まっているので、返事がこなくても安心していられるのです。
それが、仕事のメールや関係の浅い人のLINEなどは、可能な限りすぐに返信をするようにしています。
そして悪気があってもなくても、ついつい既読スルーをしてしまう人は、母親と夫なんですね(;’∀’)
心の距離と返信までの時間はその人との関係性があると思うのです。心の距離が近ければ近いほど、関係が長ければ長いほど、深ければ深いほど、多少放置してもお互い不安にはなりませんよね。
これに、感情が乗っかってくるとですね、また変わってくるのです。嬉しい知らせがあったらすぐに返事をしますし、腹が立つことがあれば、気持ちが落ち着くまで既読スルーをしてしまうことも。
仕事や家事が忙しい、体調不良で寝込んでいるなど状況的に返事をすることが難しい場合もあるので、焦らず冷静に判断することは大切ではありますが、何か思い当たるふしがある、これまでと何か違う、そんな違和感をおぼえたら相手は何かしら意図的にコミュニケーションを断とうとしているかもしれません。
返事がないことも、立派なコミュニケーション(返事）といいます。
既読スルーをする心理は、
・怒ってます！
・わかってよ！
・関わりたくありません！
・心配して！
・かまって！
・そっとしておいて！
・面倒だな～！
・正論(図星）すぎてなんて返せばいいのかわからない…
・怖いから逃げちゃお！
・相手を困らせてコントロールしてやろう！など。
関係性が微妙なときに、スルーされれば「何か変なこと言っちゃたかな？」とあれこれ考えて不安や心配になりますよね。わからないことがあると、私たちの脳は答えを必死に探そうとします。
気持ちの持って行き場がなくなり、思考もグルグルと大忙しです。そしていっぱいいっぱい傷つきます。相手に怒りだってわいてきちゃいます。
対処法は、しばらくそのままにしておき、ほとぼりが冷めたころを見計らって何気ないLINEを送ってみる。その際、過去の既読スルーには触れない。
何度送っても返信がなければ、それはそれで仕方がないとあきらめる。相手の事情はわかりませんが、事実はひとつ「返事がこない」のですから、そっとしておくのがいいようです。時間はかかるかもしれませんが、縁があればまた元の関係に戻ることもありますからね。
最後にもうひとつの対処法です。これは、心理学的な対処法で、あまり聞いたことがない方法かもしれません。まずこの質問に答えてくださいね。
あなたが同じように無視をしたり、拒絶している人はいませんか？
その人にこちらから連絡をしてみるという方法です。なにをいっているのか、わからないですね(^^;
私たちの心はとても不思議な働きをします。心はバランスを取ろうとしているようなのです。
【鏡の法則】ともいいます。「目の前の人は私の心をうつし出している」鏡にうつった顔の汚れは、いくら鏡の中の自分を綺麗にしようとしても汚れを取ることはできません。当たり前ですがまずは自分の顔を綺麗にすることですね。これ、心の世界も同じようなのです。
実際にこんな事例がありました。恋人から既読スルーされている女性がいました。無視ってされた側にできることはあまりないのです。だから、この心理学にもとづいたこの方法を試してみようと思われたのですね。
自分の周りで連絡を待っているのにしていない人がいないかと考えてみると、「あ、お父さんだ！」と気づきました。長い間、お父さんに怒りがあった女性はお父さんから電話がかかってきても、無視して出ることはありませんでした。
早速、お父さんに連絡をしました。気恥ずかしさも気まずさもありましたが、「今、私が感じている寂しさとお父さんが感じている寂しさは同じなんだな」と思うと自然に勇気がでたようなのですね。
するとです、何週間も連絡がなかった恋人から本当に返事がきたのです。こんなふうに必ずうまくいくとは限りませんが、自分にできることをやってみて、それでもダメならあきらめもつきやすくなると思うのです。
わだかまりのある相手と和解できたとき、重くのしかかっていたものが取れて心はスッキリします。既読スルーで悶々と悩んでいたときとは、心の状態は変わっているのですね。途切れてしまった不安や心配から、他の誰かであったとしても再び繋がれたことで安心感や満足感に満たされることもあります。鏡の中の私もニッコリ微笑んでいると思いますよ。
まず心が先、現実が後なのです。
応援していますね。