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成宮千織(なるみやちおり)
心理カウンセラー
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「忘れたいのに忘れられない」未完了の感情

未完了の感情が残っていると、まるで時間が止まったかのように思考も固定されてしまいます。

「あのとき、彼のことを信じていれば今ごろ…」
「仕事で、なんであんなミスをしてしまったんだろう」
「素直に謝れたら、今も友達と仲良くできていたはずなのに」

日常は忙しく、気づけば季節が夏から秋に変わっている。でも、私の心は何年も、何十年も前のまま固定されているかのよう。

カウンセリングサービス、心理カウンセラーの成宮千織です。(昨日のご提供中のメニュー更新 記事の補足となります)

大切だった人に対する未練や後悔は時の流れとともに薄れていくこともありますが、その想いが強い場合はいつまでも昇華されず何年たっても残り続けることがあります。

私たちはある出来事に対して嬉しい、楽しい、悲しい、寂しい、悔しい、怒りなど一つの感情や気持ちがあるのではありません。嬉しかったことの中にも、残念に思うことも悲しいと感じたことも思い出せば出てくると思うのです。

テストで90点とって嬉しく思っても、隣の席の友達は98点だった。ちょっと残念な気持ちになります。そして98点だった友達はやったぁ!と喜んだ次の瞬間、あー!あと2点で100点だったのにと悔しく思う。こんな感じです。

私たちの心は、目に見えるものではないので、わかりにくいのですが、自分自身でも気づかないさまざまな感情があるのです。テストで「90点=嬉しい」以上となればスッキリですが、それに友達の点数、クラスの平均点、過去に味わった敗北感など。一つの感情が引き金になって、過去の記憶やその時の感情がわいて出てくることもあります。

だんだんと嬉しいのか悲しいのか、わからなくなることもありますよね。この矛盾した感情がある状態を「葛藤」といいます。カウンセリングでよく聞く男女のお話は「別れたいのに、別れられない」というお悩みです。

この二つの矛盾した感情や気持ちがあるのは、珍しいことでもなくほとんどの人が感じていることでもあります。それを問題と捉えているかどうかで、悩みになるか「なるようになる」と放っておけるかだと思うのです。小さいことなら性格などで放っておける人もいますが、だいたいはその人にとっての状況や重要度、緊急性などによって悩みになったりならなかったりしますよね。

日常的に情緒が不安定なときは、心の中が無秩序な状態、つまり感情カオス状態にあるといいます。感情の整理整頓ができてないのです。

今日のお話は、もしそれが何年も矛盾を抱えた状態でいるとしたら?簡単に一言であらわすと「忘れたいのに、忘れられない」状態です。「元カレが忘れられない」というお悩みも元カレのことでは実はなく、元カレを思い出したときに感じる、「悲しみ」「寂しさ」「悔しさ」「みじめさ」だったりします。

その感情が残っている(未完了)状態が苦しいんです。

そして心の中に抱えている大きさが大きいほど、日常も辛くなります。単純に元カレを思い出す回数が多いからではないんですね。日常に元カレに感じている「悲しみ」「寂しさ」などが、全く違う出来事、例えば極端な例ですが、テストで90点取ったことで、「元カレとカラオケに行って、元カレの歌った曲で90点取ってたな」と連想ゲームのように過去に味わった感情を思い出してしまうことってあるんです。

出来事の細部まで思い出すことはないかもしれません。ただ「90点」に反応してしまうことってあります。なんだか急に悲しくなるときは、こんなときかもしれません。

もっとわかりやすい例では、元カレと聞いた曲が流れてきたときです。瞬時にあのときあの瞬間に意識も感情も戻ることがありますよね。元カレの例だけではなくても、音楽(聴覚)や香り(嗅覚)、触った感覚、視覚、味覚などでさまざまな過去の記憶が思い出されることがあります。

ですので、できれば今起きていることに限らず、過去のちょっと嫌な感情もそのままにしておかないで、解放したり、完了させるのがいいのですね。

心理セラピーでは、心の中の無秩序な感情を整理整頓していくことをしていきます。「この「寂しさ」と「楽しさ」は別なもので、独立しているんだよ。」と自分自身の中で切りわけてあげるんですね。そして、嫌な感情をただ【ある】ことを認めてあげるんです。

見つける→感じる→認める

矛盾した感情は、丸が重なっている部分がある状態です。例えば、嬉しいと言う感情と、悲しい感情。相反する二つの感情を私たちは感じることができません。だから、交互に感じているんですね。とっても忙しくて疲れてしまいます。思考もたくさん出てきますから、身体を休めていても脳はいつもフル活動の状態でなかなか疲れが取れません。

その二つの感情を一つ一つ独立させて、その距離も離れている感覚にしていきます。すると、心の中のスペースが広がっていくんですね。広がった状態で生きていくので、心にゆとりが出てきます。

心にゆとりが出てくると、そこに新しいもう一つ新たな感情や考え方ができるようになることがあります。言葉であらわすと「気づき」や「さわやか」だったり、「意識が広がる感覚」かもしれません。※個人差があります。

90点を取った自分に誇りがもてるようになる。元カレをいい思い出にできる。もうある出来事や感情によって過去に気持ちが戻ることが少なくなる、そんな心が楽な状態になるお手伝いをしています。

応援しています!

※セラピーは面談カウンセリング2時間コースのメニューとなります。

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