カウンセリングサービスの成宮千織です。いつもありがとうございます。
◇年末年始のお知らせ
12月28日(土)から1月4日(土)までカウンセリングサービスの予約センターは休業となります。私、成宮も同じ日程でお休みさせていただくつもりでしたが、12月29日(日)はカウンセリングをさせていただきます。当日は予約センターがお休みですので、ご希望のお客さまは28日(土)20時30分までにご予約くださいね。年明けは1月4日(土)から通常通りとなります。
毎日、寒い日が続きますがみなさまお元気でしょうか?インフルエンザが流行っているようですね。私は少しまえに風邪をひきまして、風邪ってこんなに辛かったかな?と自分の歳を感じていました。インフルエンザや感染症などはもっと辛いと思いますので、皆さまも体調に気をつけてお過ごしくださいね。(私がいうか!と自分自身でツッコミを入れておきます。)そして、今日はクリスマスイブ。気づけば今年もあとわずかですねー。
心理学では、あなたが見ているものすべてが、あなたの心の中のものが映し出されているといわれています。これを「投影の法則」といいます。
「投影」は心理分析の核となります。そしてもうひとつ重要な考え方に、「許し」があります。
許しはとてもパワフルで中心的な心理療法となります。心理学でいう「許し」とは、「もう、しかたないな。かわいそうだから、許してやるよ」という許しとは、ちょっと違うのです。
許しとは、あなたがその人を許せるくらい、大きな愛になることを自分に許すこと
「何それ?」ですよね。私も最初聞いた時になんのことかよくわかりませんでした。
つまり、許しに必要なことは、今のままのあなたの愛の大きさではダメらしいのです。バージョンアップした、あなたになることを自分に許すのです。
「愛」ってなんかうさんくさいとか、拒絶反応がでる人は、「優しさとか思いやり」に変換してお読みくださいね。
物理的な法則では、人に物やお金をあげればなくなりますが、愛は与えれば与えるだけ増えていくのです。人に優しく親切にすると、どんどんあなたは意地悪な人になることはないですよね。
でも、「これまで与えてばかりきました。これ以上私ばかり与えるは嫌です」といわれる人も多いのです。ここで注意が必要なのは、与えて辛くなるのは、愛ではなくそれは犠牲のようなんですね。我慢して与えてたら、それはだんだん辛くなります。我慢は怒りになり、やがて恨みに変わることもあります。与えれば与えるだけ恨みが増していけば、それは愛ではないことがわかります。
簡単にいってしまうと、与えると自分も心地よいものが本当の愛のようなのです。お年寄りに席を譲ったら、そのあととても気分がよくなった。そんな経験はないでしょうか?与えること、実はその分もちゃんと受けとっているということなのです。
怒りは抑圧しない方がいい
ひとことに「許したほうがいいから、許しましょう!」といっても、「はい、わかりました!」と言える人はほとんどいないと思います。
なぜなら、それくらい悔しい思いをしたから。その人からひどく傷つけられたから…そんな辛い思いをしたのですから、簡単に許せないのは当然だと思います。人を許せるようになるには、プロセスがちゃんとあります。
心の底では怒っているのに、「私はなんとも思っていません。大丈夫です」と怒りを抑圧してる人もいます。でも怒りを隠していては本当の意味で許すこと難しいようなのです。この怒り、誰に隠していてはいけないと思いますか?それはあなたにひどいことを言ったり、あなたを傷つけた相手にというわけではなく、隠してはいけない人は自分自身になんです。
抑圧した感情は消えることはなく、心の奥にいつまでもあるようです。それが大きければ大きいほど、人を代え、時代を超え、シチュエーションを変えて、人生のありとあらゆるシーンで問題として顔をのぞかせることがあります。
本当はお母さんに怒っているのに、それを抑圧していると、年上の女性とどうも合わない、トラブルになりがち、怖い、すぐにイライラしてしまう…そんなことが多いようなら、問題は年上の女性との関係ではなく、心の中をみていくと大元はお母さんに対しての怒りがだったということがよくあるのです。
かといって、直接お母さんに怒りをぶつけた方がいいかといえば、それはまた違って、まずは「本当は誰に怒っているか」をわかってあげることが大切なんですね。私は何度か書いていますが、癒しとは自分の中の光が当たっていない部分を見つけて光を当ててあげることなんです。
そして抑圧と似た言葉に「抑制」というものがあります。この違いは無意識にするもの(抑圧)と意識的にするもの(抑制)です。感情にまかせて怒りをぶつけることはやめておいたほうが賢明ですね。抑制は時に必要だと思います。
怒りの解放が一人ではできないときは、カウンセリングをご利用くださいね。怒りはエネルギー、感じ切ればなくなるようですよ。
人を許せるようになれたら?なれなかったら?
- もし、あなたが大きな愛にバージョンアップして、「人を許せるあなた」になれたとしたらどうなるでしょう?
それは、「モテる人になる」ようなんです!
モテる人にもなる。そして、そのあとに続く、パートナーシップもうまくいく、それだけに限らず、あなたを取り巻く人間関係も良好になると思うのです。いつもプリプリ怒っている人より、誰もが寛容な人と仲良くしたいと思いますよね。
- もし、人を許すことができないと、人とどんな関係になるのでしょうか?
その人からの愛を受け取ることができなくなります。
「そんなものいらない」という声が聞こえてきそうですが、愛されない態度を取り続けるのは、とてももったいないことでもあると思うのです。
最近、私は父とぶつかるようになりました。昔のような威厳を保ちたい父。年老いた父の代わりにあれこれ世話をやきたい私。母も父のことが心配で、何かと口を出すので父は私と母に怒りを感じるようになっていきました。
それにはこんな背景がありました。今年の秋に父は手術をしたのですが、その保険の手続きに戸惑っていました。今は担当者と話しをするにもインターネットから予約をするので80代の父にはとてもできません。私も自分の見直しなどついでがあったので「一緒に手続きやろうか?」といっているうちに父は怒り出し、とうとう私と口をきかなくなりました。
若干、私たちはお節介ではあるのですが、私たちの愛を受け取れない父は体も本調子ではない中、町の保険屋さんまでわざわざ出かけて行きました。
許せない気持ちの正体とは
その許すことができない気持ちの正体はいったいなんでしょうか?次に心の中をのぞいてみましょう。
許せないとき、心の奥にあるのは「罪悪感」なのです。
相手を怒ったり責めた時、同時に自分には「私が悪い、罰せられる存在だ(罪悪感)」と私たちは無意識に感じています。
投影とは自分の心の中にあるものが映し出されています。「私は悪い、罰せられる存在だ」と思い続けるのは辛すぎます。心がぺしゃんこに潰れてしまいます。
だから、その気持ちを抑圧して意識できない無意識の領域に隠してしまうのです。そして、そんなよくないものを持っている自分を認めることができないと、私たちは相手に罪をなすりつけてしまうのです。それは、無意識に自分の中の罪悪感を相手に投影しているということなのです。
私の父の罪悪感はきっとこんなものだと思います。
「昔はこれくらいの手続きは楽にできたのに情けない」
「娘の気持ちはありがたいが、怒ってしまった」
など、自分が悪かったと自分自身を無意識に責めているのです。これが罪悪感です。
私自身も父に腹が立ち、「もう!困っていたから助けようとしたのに」と腹が立っていました。私の心の中にもこんな罪悪感がありました。
「父のプライドを傷つけてしまった」
「父のやる気を認めてあげられなかった」
「助けを求められるまで、口を出さなければよかった」
こんな気持ちを感じたくないので、いつまでも責めて相手を許すことができないのですね。
許しのポイントは、自分の罪悪感をみつけだして、自分自身をまず許してあげることが大切です。これを「投影を引き戻す」といいます。
私のこのケースでは「お節介だったかもしれないけど、父の困る姿を見てられなかったんだよな」
父はその入院中に、自分がどこにいるのかわからなくなり、大騒ぎになるというアクシデントがありました。私と母が夜中に呼び出され、何時間も「帰る」という父を説得し、結局その日の朝、半ば強制退院という形で病院から出されました。その時、人から奇異な目で見られている父の姿が私はとても悲しかったんですね。もうそんな目にあってほしくないと思っていたんです。
そして、自分の罪悪感が薄っていくと、自然に父を責める気持ちも薄れてきました。そしてこんな気持ちが出てきました。
「お父さん悲しかったんだ…」
罪悪感が薄れてくると、状況は変わっていなくても、相手に優しくなったり、愛の視点から相手を見ることができるようになります。これが「バージョンアップした愛」なのです。そして「許し」は、ほぼ完了となります。
私の父との話は、罪悪感の例としてあげさせてもらいましたが、これは日常のささいな出来事ですので、人によって怒りや許せない気持ちはもっと大きくて根深いことも多いと思います。
許しは人のためならず。自分のためにするものらしいです。でも許せなかったら、そんな自分の気持ちを大切にしてくださいね。
応援しています。