カウンセリングサービスの成宮千織です。いつもありがとうございます。

あなたは今日、「ありがとう」を何回言いましたか?
家族に
同僚に
友達に
恋人に
コンビニの店員さんに…
私たちは毎日、たくさんの人に支えられて生きています。それなのに、感謝はつい「心の中」で終わらせてしまいがちです。
でも実は、「ありがとう」という一言には、人間関係を根本から変える力があるのです。
人は“返したくなる”生き物
心理学には「返報性の原理」という考え方があります。これはとてもシンプルなものです。
「人は何かをしてもらうと、お返しをしたくなる。」
プレゼントをもらうと、次は自分が贈りたくなる。
親切にされると、相手に優しくしたくなる。
自分を好きになってくれる人のことを、好きになることもよくあります。
そして「ありがとう」と言われることも同じです。
感謝されると、
- 自分の存在が認められたと感じる
- 自分の行動に意味があったと感じる
- もう一度、役に立ちたいと思う
つまり、感謝は“相手の自己価値感”を刺激するのです。
人間関係がうまくいくかどうかは、「この人といると、自分は価値ある存在だと感じられるか」に大きく左右されます。「ありがとう」は、その感覚を自然に生み出す最強の言葉なのです。
良い関係は「ポジティブの積み重ね」でできている
長年うまくいっているカップルはネガティブ1回に対して、ポジティブ5回以上という比率があるらしいのです。
ここでいうポジティブとは、
- 笑顔
- 共感
- ねぎらい
- 感謝
などといった日常の小さなやり取りです。つまり、関係が壊れる原因は、大きなケンカだけではないのですね。日々のポジティブなやり取りが足りないことで、じわじわと関係を弱いものにしていくのです。
「ありがとう」は、このポジティブの貯金を増やします。たとえケンカをしても、日頃から感謝が交わされている関係は、簡単には壊れません。でも不平不満ばかりを言っていては、ちょっとのケンカで関係が壊れてしまうこともあります。
感謝は伝える側にも良い影響を与える
感謝は、相手だけでなく自分の心も整えます。心理学研究では、感謝を習慣にすると
- 幸福度が高まる
- ストレスが減る
- 睡眠の質が向上する
- 抑うつ傾向が下がる
といった効果が確認されています。
それは、なぜでしょうか?
感謝の視点を持つと、「足りないもの」ではなく「すでにあるもの」に意識が向くからなのですね。
不安や怒りは、“欠けているもの”に注目したときに強まります。感謝はその焦点を変えるのです。
つまり、「ありがとう」は思考の方向を変えるスイッチでもあります。
なぜ身近な人ほど「ありがとう」を言わなくなるのか?
不思議なことに、私たちは一番大切な人にこそ、感謝を言わなくなります。理由は「やってくれて当たり前」と思ってしまうから。
でも、“当たり前”は本当は当たり前ではありません。
・毎日ご飯を作ってくれること
・仕事を頑張ってくれていること
・話を聞いてくれること
慣れは、感謝の気持ちを鈍らせます。それどころか、油断すればもっともっと要求は膨らんていきます。だからこそ、意識して言葉にする必要があるのです。
今日からできる「感謝の実践法」
① 具体的に言う
「ありがとう」だけでなく
「今日のお弁当、すごく美味しかったよ。ありがとう」「毎日、頑張ってお仕事をしてくれるから、私たちは安心して暮らしていけるよ。ありがとう」と具体化する。具体性は、相手の自己効力感を高めます。
② 小さなことに感謝する
大きな出来事を待つ必要はありません。
ドアを開けてくれた、返信をくれた、ふとした優しい言葉をかけてくれた、それだけで十分です。
③ 1日1回、必ず誰かに伝える
ルール化すると習慣になります。最初はぎこちなくても大丈夫です。伝える相手がそばにいないならば、店員さんやバスの運転手さんに伝えてみるのもいいと思うのです。
まとめ
人間関係は、劇的な出来事で良くなることはほとんどありません。それを待っていてはいつになるかわかりません。
変えるのは、小さな言葉の積み重ねです。
「ありがとう」は、
- 相手の価値を認める
- ポジティブな関係を生む
- 自分の心が整う
心理学的に見ても、とても合理的なことなのです。
もし最近、人間関係がうまくいかないと感じているなら、何かを変える前に、まず一言。「ありがとう」を増やしてみてください。
その言葉は、思っている以上に大きな力を持っています。


