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成宮千織(なるみやちおり)
心理カウンセラー
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感情の共有ができないときに

カウンセリングサービス心理カウンセラーの成宮千織です。

人との繋がりで嬉しく思うのは、誰かとポジティブな感情を共有し感じることだと思います。感情は共振共鳴するので一人よりも、二人で喜びを感じる方が何倍も大きく感じられることがあります。

逆に悲しみなどのネガティブな感情は、誰かに聞いてもらって気持ちを受け止めてもらうと、まるで悲しみを半分背負ってもらえたかのように楽になることがあります。

わかりやすい例をあげると、小さな子どもが転んで泣いている場面で、お母さんが「痛かったね」という一言で、子どもは泣き止むことがあります。痛さはあるけれど、お母さんにわかってもらえて安心できたんですね。

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感情の共有ができない夫婦

それが、夫婦など一緒にいる時間が長くなると、感情の共有をしたくてもできなることがあります。奥さんは気持ちをわかって欲しくて、旦那さんに一生懸命「あーだ、こーだ」と言うのですが、旦那さんの反応は薄く、奥さんの怒りが増していく。昔の私もそうでした。嬉しさも悲しさもわかってもらえない、共に感じられていない感覚です。

感情の共有ができないと、独りぼっちのような感覚になりませんか?寂しいなって。一人でいて寂しいのは仕方がないと思えるけれど、家族でいて独りぼっちのように感じるのはたまらなく悲しくて寂しいですよね。

でもですね、自分の感情がわからないことってよくあるんです。「あーだ。こーだ」と文句を言っている奥さんも、怒りは感じるけれど、それが自分の本当の感情ではないと気づいてないことが多いのです。

自分の感情がわかりにくくなったのは

私たちの意識は顕在意識と、潜在意識 無意識の層にわかれているといわれています。イラストでは潜在意識だけになっていますが、ここに無意識の層も入ります。顕在意識とは普段意識できる思考、意思決定、判断などです。潜在意識はそれとは逆で意識できにくい記憶、感覚、直感などです。このイラストのように氷山モデルと言われることもあります。

幼少期はこの顕在意識と顕在意識、無意識の層が大人ほどハッキリわかれていないのです。悲しかったら人目もはばからず大声で泣くし、おもしろかったらゲラゲラ笑う。子どもらしい子どもですね。

それが成長するにしたがい、お母さんや周りの大人から「いつまでも泣いていないの」、「男の子はそんなことで泣かないの」などと言われることが増えていきます。顕在意識との層がわかれていないということは、ストレートに心の中に入っていくということでもあります。

泣いていたら、怒られた。笑っていたら、怒られた。他にも寂しいと言ったら、お母さんが悲しそうな表情をした。ガッカリされた、不安そうな顔をされた。子どもはだんだんとその場の空気を読むようになったり、大人の顔色を見るようになっていくのですね。そんなことの積み重ねで、幼少期にはなかった顕在意識と潜在意識の境に膜(クリティカルファクターといいます)のようなものができていきます。

次第に大きくなる「思考と感情の分離」

子どもは思考と感情が繋がっているのですが、成長にともない思考と感情の分離が起きていることが多いんです。悲しいけど、お母さんを困らせたくないから我慢する。表情にあらわさなくなる子もいます。子どもの頃はみんな親のことが大好きで、愛されたい、助けたい、悲しませたくないなど健気に思っています。親が気づかないくらいうまく、自分の感情を隠すこともします。いい子だったり、親のことが大好きだったり、敏感な子どもほど、何でもないフリをしていきます。

大人になると、自分の感情をそのまま出すことを避けることが増えていきます。感情をそのまま出したら、嫌われたり、避けられたり、人を傷つけてしまったり、攻撃されたり。いろんな経験を通して感情をストレートに出すと、何か良くないことが起きるんではないか?と学習していきますよね。だから隠す、なかったことにして抑圧していくのですが、自分の感情がわからなくなるのは、このような原因があるのです。自分の思考と感情が繋がっていないこと、本当は悲しいけれど、顔は笑っているなんてことよーくあります。

感情の共有ができないときにすることは

先ほどの旦那さんと感情の共有ができない奥さんのケースに戻りますが、奥さんは怒りの感情を出していますが、本当の感情は「寂しい」「悲しい」「もっと甘えたい」かもしれません。それを隠してしまっているので、旦那さんも奥さんのことがよくわからないのです。ただ自分を怒って責めている奥さんにどう接していいかわからず、感情の共有はとてもできません。

怒りは第二感情といいます。第一感情はもっと別なもの。

わかって欲しい
助けて欲しい
優しくして欲しい
そばにいて欲しい
甘えたい
一緒にいたい
愛されたい

これ、とっても素直で愛されやすいんです。旦那さんが、寂しさを感じて浮気をすることがありますが、この寂しさは(今は奥さんも同じくらい多いかもしれませんね)この本当の感情が奥さんから感じられなくなっていることもあるのですね。大好きだった奥さんの感情が伝わってこなくなるんですから、やっぱり寂しいですよ。

感情の共有ができないなと思ったときにすることは、相手をどうするかではなく自分の本当の感情に気づくことが大切なんです。それって、急にはできませんし、できたとしてもすぐに蓋をしてしまいます。なぜなら、私たちは本当の感情を見ていくことに、痛みを覚えるし怖いことでもあるんです。それは、幼少期に感じたことのある、感情を出したら怒られた、お母さんを悲しませた、嫌われた…という記憶があるからなのですね。でもそれは、幼少期のことですし、今ではありませんからね。

日頃から自分の感情に敏感になること、そしてそれを素直に伝えることができたら、関係性はまた変わってくると思うのです。ちょっぴり恥ずかしさを感じてしまいそうですが、頑張って!

応援しています。

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