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成宮千織(なるみやちおり)
心理カウンセラー
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悲劇のヒロイン症候群から抜け出す

お恥ずかしい話ですが、私は昔、悲劇のヒロイン症候群だったと思います。

悲劇のヒロインというのは、アニメなどで出てくることが多いと思うのですが、女性の主人公が次々と不幸な目にあうというのがよくある話しだと思います。

悲劇のヒロイン症候群の特徴のひとつに、本人に自覚がないということがあります。それは不幸が人生の中に当たり前にあったからなのです。

でも、実際にその人の人生がずっと不幸かといえば、そうとはいえないのですよね。不幸を探しているといえば語弊があるかもしれませんが、平穏で幸せな状態が続くと不安や悩みごとを無意識に見つけてしまうのです。

私のことを例に出すと、良いことがあると「こんな幸せな日がいつまでも続くわけないよねー」とふっと思っていたのです。

すると、幸せが続かないことにフォーカスするわけですから、不幸に感じること、トラブル、悩みを簡単に見つけられちゃうんです。

お腹の調子が悪かったら、「もしかしたら何か良くない病気かもしれない。そういえばテレビで大腸がんのことやってたな。」「あ、症状が当てはまる!困ったな、病院行った方がいいかな。」それからは家族を巻き込んで大騒ぎでした。

悲劇のヒロイン症候群になる原因

①メリットがある

悲劇のヒロイン状態になっているということは、過去に何かメリットと感じることがあったと思うのです。悲しそうにしてたら、お母さんが心配してくれたり、お父さんがかまってくれた。先生が、友達が、彼氏が…と誰かが心配してくれたのです。

かわいそうな私になると、誰が優しくしてくれる、それが成功体験として記憶に刻まれていったと思うのです。

②子どものころに家族の誰かのお世話をしていた

子どものころに家族の中に病気や介護などが必要な人がいて、自分がお世話をしたり話を聞いてあげたりした場合なども、悲劇のヒロイン症候群になることがあります。

それは、自分が家族にしたことを、本当は自分がして欲しかったからなのです。子どもなら当然のことですよね。その満たされない思いが残っていて、次は私の番!と、自分を弱い立場にして、誰かに満たしてもらおうとしているのかもしれません。

カウンセリングの中で、「お母さんの愚痴ばかり聞いていたけど、私の話しも聞いて欲しかった」というお話をよくお聞きします。でも、そんな方が全員、悲劇のヒロイン症候群になるわけではありませんからね。

過去を思い出して、家族のお世話を頑張ってしていた方は、悲劇のヒロインかどうかにかかわらず、自分に優しくしてあげてくださいね。

③不幸な私しかかまってもらえないという思い込み

不幸や不遇な境遇ではないと、私は誰にも相手にされないと思い込んでしまっている場合もあります。私の場合ですと、私のすぐ下に弟と妹が産まれていたので、私は2歳くらいから祖母が私の面倒を見てくれていました。

でも、まだ幼かったので、母親が恋しかったんです。だから、いろんなことをやらかしてこっちを見て~とやったのですが、その頃、赤ちゃんだった妹には絶対に勝てませんでした。

でも、中高校生くらいになると知恵もついてきますから、体調が悪いとか成績が悪いと、なんだかんだと問題をつくって両親を悩ませてきました。私は褒められるような良いことがあまりなかったので、両親を悩ますことで自分に注目を集めたかったのです。

④幸せになるのが怖い

幸せ恐怖症。悲劇のヒロイン症候群でいたら、幸せにはなれません。本人は辛くてなんとかしたい気持ちがあるのですが、これは意識できていることは少なく、潜在意識や無意識で感じていることになります。正確には、幸せになれないのではなく、自分を幸せにさせないのです。

幸せになるのが怖いなんて、そんな人がいるんだろうか?と思う方もいると思いますが、自分を粗末に扱う彼氏から離れられなかったり、愛してくれる人といるとなぜか居心地が悪くなって離れてしまうなど、なぜか幸せにならない選択をしてしまう方もいるのです。

それは、自己肯定感が低い場合や、心に罪悪感があって、幸せになったら何か良くないことが起きると思ったり、自分なんて幸せになれるはずがないという思い込みが心の奥底にあるかもしれません。

悲劇のヒロイン症候群を抜け出すには

もしも、不幸なことばかり続いていたとしたら、「絶対に違うと思うけど、もしもしこれが私の望んでいることだとしたら?」と考えてみるのもいいと思うのです。このままでいたら、変わらないかもしれませんからね。

悲劇のヒロイン症候群になる原因を書いてみましたが、まだ他にもあるかもしれませんし、1つではなく、2つ3つと原因が重なっていることもあります。

そして、ここから抜け出す一番の方法は、自分が悲劇のヒロイン症候群と気づくことなのです。

私の場合、友人や母や妹と愚痴や悩みでもなく、「ランチに行って何食べた」「○○さんから野菜を頂いた」と、たわいのない会話をしていた時期があったのですが、それがだんだんと退屈に感じてきたのです。でも、平和な毎日、これ私が望んでいた幸せだったんです。

それが退屈って何よ?
ハッと気づきました。もしかして、私は穏やかな日常ではなく、泣いたり悩んだり、悲劇的で波乱万丈な人生を望んでいたんじゃないか!それは、今では確信に変わりました。
そして相変わらず、日常はいろいろな悩みや問題はありますが、悲劇のヒロインだったころのように、不幸自慢をすることは(かろうじて)なくなりました。

気づくことで、半分くらいは抜け出せてると思います。人から「あなたは悲劇のヒロインだよね」と言われると腹が立つと思うのですが、自分でそれに気づくと「やってたやってた」とクスっと笑えると思うのです。あまり深刻に考えず、笑いに変えられるといいですね。

アニメの悲劇のヒロインは最終回には、必ず幸せになります!そして、今度こそが私の番!なのです。